豊明卸問屋マガジン
人気の記事
観葉植物店を開業したいけど2店舗目を出して大丈夫か不安!多店舗展開を判断する数字と準備方法
植物の仕入れ
観葉植物店を開業したいけど2店舗目を出して大丈夫か不安!多店舗展開を判断する数字と準備方法
観葉植物店を開業し、1号店の売上が安定してくると、「そろそろ2店舗目を出した方がいい?」「今の店舗が忙しいから出店すれば売上が2倍になるのでは?」と考えることがあります。しかし、2店舗目を出せば売上が単純に2倍になるとは限りません。家賃、人件費、仕入れ、設備などの固定費が増えるだけでなく、オーナーが1号店に常駐できなくなるため、店舗運営をスタッフだけで回せる仕組みも必要になります。今回は、観葉植物店の2店舗目を検討する際に確認したい利益、リピーター、人材、資金、商圏などを具体的な数値例を使って解説します。
多店舗展開を判断する数字と準備方法
観葉植物店の1号店が忙しくなると、「2号店を出せば売上がさらに伸びる」と考えることがあります。
例えば1号店の月商が300万円なら、2店舗で600万円をイメージするかもしれません。
しかし実際には2号店の開業直後から月商300万円になるとは限りません。
例えば2号店が、
1か月目100万円
2か月目150万円
3か月目180万円
程度だった場合でも、家賃、人件費、光熱費は発生します。
そのため出店前に「1号店が好調か」だけではなく、「1号店がオーナー不在でも利益を出せるか」を確認することが重要です。
まず1号店の利益状況を最低6〜12か月程度確認しましょう。
例えば月商300万円、粗利益率50%なら粗利益150万円です。
そこから、
家賃20万円
人件費60万円
光熱通信8万円
広告5万円
その他20万円
合計113万円かかるなら、単純な残りは37万円です。
月商300万円という数字だけ見ると好調ですが、最終的な利益余力は37万円です。
この店舗を支えるオーナー自身が無給に近い状態で働いているなら、2号店を出す前に1号店の収益構造を見直した方がよい可能性があります。
オーナーの労働時間も数字にします。
例えば1号店で週60時間働いている場合、2号店を出しても両店舗を同じように見ることはできません。
まず1号店でオーナーが担当している仕事を書き出します。
例えば、
仕入れ
接客
シフト
法人営業
SNS
経理
植物管理
の7項目です。
そのうち「オーナーしかできない仕事」が5項目あるなら、多店舗化の前に引き継ぎが必要です。
2号店出店前には、主要業務の80%程度をスタッフまたは仕組みで回せる状態を一つの目安にする方法があります。
例えばオーナーが1週間不在でも、
売上
在庫
植物管理
スタッフ配置
に大きな問題が起きないかテストします。
いきなり1週間離れる必要はありません。
まず週1日、次に2日程度、店長へ任せます。
3か月程度かけて確認します。
オーナー不在日の売上が通常日の90〜100%程度を維持し、クレームや植物ロスが増えていないなら、店舗運営が仕組み化されている可能性があります。
逆に売上が50%へ下がるなら、「店舗が強い」のではなく「オーナー個人の接客力で売れている」状態かもしれません。
その場合、2号店より先にスタッフ教育が必要です。
店長候補の存在も重要です。
2店舗をオーナー1人が毎日行き来すると、両店舗の管理が中途半端になる可能性があります。
1号店または2号店に責任者を1人置けるか確認します。
例えば店長候補が、
レジ
接客
植物管理
発注
クレーム一次対応
の5業務を単独で対応できるか確認します。
3か月に1回程度、習熟度を評価します。
未習得が3項目以上あるなら、出店スケジュールを急ぎすぎない方が安全です。
2号店の初期投資も計算しましょう。
例えば、
物件取得100万円
内装200万円
什器50万円
レジ・設備30万円
初回仕入れ80万円
広告20万円
合計480万円だったとします。
さらに開業後6か月の運転資金を考えます。
2号店の月固定費が、
家賃20万円
人件費50万円
光熱等10万円
その他10万円
合計90万円なら、6か月で540万円です。
売上がゼロという前提ではありませんが、初期投資480万円+運転余力を考えると、数百万円単位の資金が必要になります。
1号店の運転資金まで使い切って2号店を出すのは危険です。
例えば1号店にも固定費3〜6か月分の現金を残すなど、自店で安全基準を決めましょう。
銀行残高1,000万円あっても、2号店へ900万円使えば1号店の余裕は100万円です。
1号店の固定費が月100万円なら1か月分しかありません。
出店後に想定外の設備故障や売上低下が起これば資金繰りが苦しくなります。
2号店予算と1号店の運転資金を別々に考えることが重要です。
2号店の商圏も確認しましょう。
1号店から近すぎる場所へ出店すると、新規売上ではなく顧客が分散するだけになる場合があります。
例えば1号店月商300万円、2号店開業後、
1号店220万円
2号店100万円
なら合計320万円です。
店舗は2つになったのに売上は20万円しか増えていません。
一方、固定費は大きく増えています。
これでは多店舗化のメリットが小さくなります。
そこで既存客の居住エリアを市区町村単位などで分析します。
個人情報を適切に扱える範囲で、どの地域から来店しているか確認します。
例えば現在の顧客の30%が2号店候補地周辺から来ているなら、顧客移動が起きる可能性があります。
逆に1号店ではほとんど来店がない地域で需要が見込めるなら、新規商圏を獲得できる可能性があります。
候補エリアでは3〜6か月程度、オンライン注文、配送先、法人問い合わせなどのデータを見る方法もあります。
例えば候補地域から月30件以上配送注文があるなら、一定の需要のヒントになります。
家賃だけで候補地を選ばず、
人口
競合
駐車場
アクセス
既存顧客との重複
など5項目程度を確認しましょう。
2号店のコンセプトを1号店と同じにするかも考えます。
例えば1号店が大型観葉植物中心で成功したからといって、駅前の10坪店舗でも同じ大型商品を並べる必要はありません。
2号店候補地が住宅地なら小型・中型、駅前なら持ち帰りやすい商品など、地域に合わせる方法があります。
ただしブランドが全く別に見えるほど変えすぎると運営が複雑になります。
例えば共通部分70%、地域対応30%程度にする方法です。
商品管理や接客方法は共通化し、商品構成だけ一部変えます。
在庫移動の仕組みも多店舗化では重要です。
例えば1号店で売れない大型植物が2号店では人気になることがあります。
週1回程度店舗間在庫を確認し、必要に応じて移動できる仕組みを作ります。
商品コードは両店舗で共通にします。
例えばFIC-001がどの店舗にあるか分かる状態です。
店舗ごとに別の管理方法を使うと、在庫確認に時間がかかります。
2号店出店前に1号店で商品コード、棚卸し、発注ルールを整えておきましょう。
仕入れ量が増えるメリットもありますが、過剰仕入れには注意が必要です。
例えば1店舗で月100鉢だった仕入れが2店舗で200鉢になれば、仕入れ条件が良くなる可能性があります。
しかし「2店舗だから2倍売れる」と考え、最初から300鉢仕入れると長期在庫になることがあります。
2号店は初回仕入れを売場容量の70〜80%程度にし、開業後2〜4週間の販売実績を見て追加する方法があります。
例えば200鉢置ける店なら140〜160鉢程度からスタートします。
残りの仕入れ予算20〜30%は追加用に残します。
1号店の売れ筋が2号店でも同じとは限りません。
集客も1号店任せにしないことが重要です。
「1号店で知名度があるから2号店もすぐ来る」と思っていると、商圏が違う場合は苦戦します。
例えばオープン前4週間から、
Googleマップ登録
SNS告知
地域広告
既存顧客への案内
などを準備します。
ただし既存顧客を2号店へ誘導しすぎると1号店の売上が落ちるため、新規地域向けの発信も重視します。
例えば広告予算20万円なら、既存フォロワーだけではなく候補商圏へ届く施策へ一定割合を使います。
2号店の損益分岐点も計算しましょう。
例えば月固定費90万円、粗利益率50%なら、単純化すると月商180万円程度で粗利益90万円です。
月25日営業なら1日72,000円です。
客単価5,000円なら1日約14〜15件の購入が必要です。
購入率40%なら1日36〜38人程度の来店が必要です。
候補地で1日40人前後の来店が現実的か考えます。
もし候補地の通行量や競合状況から1日15人程度しか見込めないなら、家賃や店舗サイズ、客単価モデルを再検討します。
「良い物件だから借りる」のではなく必要来店数まで逆算しましょう。
開業後の赤字許容期間も事前に決めておきます。
例えば最初の3か月は赤字でも、6か月目に損益分岐点へ到達する計画を作ります。
売上目標を、
1か月目100万円
2か月目130万円
3か月目150万円
6か月目180万円
など段階設定します。
3か月目で実績80万円しかない場合、追加広告、商品構成、営業時間などを見直します。
「いつか伸びる」と無期限に赤字を続けないことが重要です。
6か月時点で撤退や縮小を検討する基準も出店前に決めておく方法があります。
例えば6か月平均売上が損益分岐点の60%未満など、自店の資金力に合わせて判断基準を作ります。
多店舗化ではオーナーの管理時間も増えます。
例えば1店舗の会議・確認に週2時間、2店舗で4時間。
移動時間が片道30分なら週数時間増える可能性があります。
店舗が3、4と増えるとさらに増えます。
そのため2号店の段階から、
週次売上報告
在庫報告
クレーム報告
スタッフシフト
などの形式を統一しておくことが重要です。
例えば毎週月曜日に各店長から30分で、
売上
来店数
客単価
在庫
課題
の5項目を報告してもらいます。
店舗ごとに違う報告方法にしないようにします。
1号店の売上低下も必ず監視します。
2号店準備でオーナーが1号店から離れた結果、
月商300万円→240万円
へ20%低下したら注意が必要です。
2号店が100万円売っても、グループ全体では340万円です。
増加は40万円だけです。
一方で固定費は大きく増えます。
多店舗化の評価は2号店売上だけではなく、2店舗合計の売上・利益で確認します。
例えば出店前1店舗利益40万円、出店後2店舗合計利益20万円なら、売上が増えていても経営としては悪化しています。
出店後6〜12か月は、
全店売上
全店営業利益
1号店売上
2号店売上
などを比較しましょう。
2店舗目を出すタイミングの一つの考え方として、
1号店が12か月程度安定黒字
店長候補がいる
オーナー不在でも営業可能
出店後6か月以上の運転資金がある
新商圏が見込める
などを確認する方法があります。
すべて完璧である必要はありませんが、複数項目に不安があるなら出店時期を遅らせる方が安全な場合があります。
多店舗化は「1店舗目が忙しいから」行うのではなく、「1店舗目を再現できる仕組みが完成しているから」行うことが重要です。
よくある質問
Q1. 1号店が繁盛していればすぐ2号店を出してよいですか?
A. 売上だけでなく、6〜12か月程度の利益、スタッフ体制、オーナー不在時の運営状況も確認しましょう。
Q2. 2号店の運転資金はどのくらい必要ですか?
A. 店舗規模によりますが、初期投資とは別に3〜6か月以上の固定費を想定して準備する方法があります。
Q3. 1号店の近くに2号店を出してもよいですか?
A. 商圏が重なると顧客が移動するだけになる場合があります。既存客の来店地域や配送地域を確認しましょう。
Q4. 2号店は1号店と同じ商品構成にすべきですか?
A. 基本ルールは共通化しながら、地域特性に合わせて20〜30%程度商品構成を調整する方法があります。
Q5. 2号店の成功は売上だけで判断しますか?
A. 2号店単独ではなく、1号店を含む全店舗の売上・利益が増えているか確認することが重要です。
まとめ
観葉植物店の2店舗目を検討するときは、「1号店が忙しい」「売上が高い」という理由だけで判断しないことが重要です。
まず1号店が6〜12か月程度安定して利益を出し、オーナーが週1〜2日不在でも大きな問題なく運営できるか確認しましょう。また、2号店の初期投資に加えて3〜6か月以上の運転資金を準備し、月固定費90万円・粗利益率50%なら月商180万円程度必要というように損益分岐点を計算します。2号店出店後は1号店の売上も含め、全店舗の利益が増えているかを見ることが、多店舗展開を成功させるポイントです。
植物の仕入れに関する情報を確認できます。
