豊明卸問屋マガジン
人気の記事
アガベの仕入れで販売価格を決められない!原価・相場・粗利益から適正価格を考える方法
植物の仕入れ
アガベの仕入れで販売価格を決められない!原価・相場・粗利益から適正価格を考える方法
「仕入れたアガベをいくらで売ればよいのか分からない」「他店の価格に合わせると利益が残らない」「高く設定すると売れず、安くすると採算が合わない」。アガベの仕入れでは、販売価格の設定も大きな悩みの一つです。アガベは同じ品種でもサイズや株姿、発根状態などによって価値が変わるため、一律の倍率だけで価格を決めるのは難しい場合があります。重要なのは、仕入れ原価、送料などの実質コスト、周辺相場、必要な粗利益を順番に確認することです。今回は、アガベ仕入れ後の販売価格を数字で考える方法を解説します。
仕入れ関連費と販売関連費から実質原価を出す
アガベの販売価格を決める際、最初に確認すべきなのは「実質原価」です。
例えば1鉢5,000円で仕入れた商品があるとします。
仕入れ価格だけを見ると、7,500円や8,000円で販売すれば利益が出そうに感じます。
しかし実際には、送料、鉢、用土、梱包資材、決済手数料などがかかる場合があります。
例えば、
仕入れ価格:5,000円
仕入れ送料按分:500円
鉢・用土:400円
販売梱包資材:300円
その他管理費:300円
なら、販売前の実質コストは6,500円です。
必要粗利益から販売価格候補を計算する
この商品を8,000円で販売すると、差額は1,500円です。
売価8,000円に対する差額割合は18.75%になります。
さらにECサイトの決済手数料などが発生すれば、実際に残る金額は少なくなる可能性があります。
そのため、まず商品ごとに「仕入れ価格+仕入れ関連費+販売関連費」を合計します。
次に、必要な粗利益を考えます。
例えば実質原価6,500円の商品で、売価に対して30%程度の粗利益を確保したいとします。
売価を10,000円にすれば、単純な粗利益は3,500円で35%です。
9,000円なら2,500円で約27.8%です。
このように、必要な利益から販売価格の候補を作ります。
市場価格と個体条件から仕入れを見直す
ただし、自社の希望価格だけで決めることはできません。
次に確認したいのが市場価格です。
同じ品種、近いサイズ、近い株姿の商品がどの程度で販売されているか確認します。
例えば同程度の商品が8,000~12,000円で流通している場合、10,000円は比較的中間の価格です。
一方、自社の実質原価が10,000円なのに市場価格が8,000~12,000円なら、仕入れ自体が高かった可能性があります。
つまり販売価格の問題ではなく、次回の仕入れ条件を見直す必要があります。
アガベでは、同じ品種名でも個体差が大きいため、単純な最安値比較は避けましょう。
例えば同じ品種でも、株幅10cmと25cmでは価値が異なります。
葉数、鋸歯、締まり、発根状態、傷の有無なども確認し、近い条件の商品と比較します。
そのため、仕入れ時に株幅と株高を記録しておくことが価格設定にも役立ちます。
価格帯別販売数から中心売価を捉える
価格帯別の販売実績も確認しましょう。
例えば過去3か月で、
5,000円未満:60鉢販売
5,000~10,000円:90鉢販売
10,001~20,000円:30鉢販売
20,001円以上:5鉢販売
だった場合、自店では5,000~10,000円が最も動く価格帯です。
同じ商品価値なら、この中心価格帯へ収まる仕入れを増やすことで販売しやすくなる可能性があります。
30日・60日・90日で販売条件を見直す
高額株については、在庫期間も価格に影響します。
例えば30,000円で販売予定の商品が90日以上売れていない場合、価格が高すぎる可能性だけでなく、写真や説明、客層とのズレも考えられます。
そのため、30日、60日、90日の3段階で販売状況を確認します。
30日で売れない場合は写真や陳列を改善します。
60日では競合価格や商品説明を確認します。
90日でも動かない場合は、販売価格または次回仕入れ数量を見直します。
値下げの基準も事前に決めておくとよいでしょう。
例えば通常価格10,000円、最低販売価格8,500円と設定します。
8,500円を下回ると必要な粗利益を確保できないなら、それ以下へ下げないルールにします。
「売れないから1,000円下げる」を繰り返すのではなく、粗利益から値下げ下限を計算しておくことが重要です。
個体状態と情報量を販売価格へ反映する
また、販売価格を一律にしない方法もあります。
同じ品種を10鉢仕入れたとしても、特に株姿の良い2鉢を12,000円、標準的な6鉢を10,000円、傷がある2鉢を8,500円というように状態別に価格を設定できます。
アガベは個体差が大きいため、1株ずつ価格を付ける販売方法と相性がよい商品です。
オンライン販売では、価格だけでなく情報量も購入判断に影響します。
10,000円以上の商品なら、写真を5~8枚程度掲載し、株幅、株高、発根状態、傷の有無などを具体的に記載します。
価格が高いほど、お客様が確認したい情報も増える傾向があるためです。
粗利益と販売日数を月次比較して値付けを調整する
販売価格の妥当性は月1回程度確認しましょう。
主要20商品程度について、「実質原価」「販売価格」「粗利益」「販売までの日数」の4項目を比較します。
例えば粗利益率は高いのに平均販売日数180日という商品が多い場合、値付けが強すぎる可能性があります。
逆に30日以内に毎回完売しているのに粗利益率が低い商品は、販売価格を少し上げられる余地があるかもしれません。
アガベの適正価格は、仕入れ原価に単純に2倍を掛けるなど一律には決まりません。
実質原価、必要粗利益、相場、個体差、販売速度の5つを組み合わせて考えることが重要です。
販売価格を仕入れ後に悩むのではなく、仕入れ前の段階で「いくらで売る予定か」を決めておけば、採算の合わない商品を仕入れるリスクも減らすことができます。
よくある質問
Q1. アガベの販売価格は仕入れ価格の何倍がよいですか?
A. 一律の倍率ではなく、送料や資材を含めた実質原価、必要な粗利益、市場相場から決めることが重要です。
Q2. 同じ品種なら同じ販売価格にすべきですか?
A. 必ずしも同じにする必要はありません。サイズ、株姿、傷、発根状態など個体差に応じて価格を分ける方法があります。
Q3. 売れない場合はいつ価格を見直しますか?
A. 30日、60日、90日など期間を決めて確認しましょう。最初は写真や説明を見直し、その後価格調整を検討します。
Q4. 値下げの最低価格は決めた方がよいですか?
A. おすすめです。必要粗利益を確保できる最低販売価格を事前に計算しておくと、安易な値下げを防げます。
Q5. 販売価格はどのくらいの頻度で確認すればよいですか?
A. 主力商品は月1回程度、実質原価、粗利益、相場、販売日数を比較するとよいでしょう。
まとめ
アガベの販売価格で迷う場合は、まず仕入れ価格だけでなく送料や資材を加えた実質原価を計算しましょう。そのうえで必要な粗利益と周辺相場を確認し、株サイズや発根状態など個体差を価格へ反映します。また、30日・60日・90日と販売期間を区切って反応を確認し、値下げする場合も最低販売価格を事前に決めておくことが重要です。仕入れ前から予定販売価格と粗利益を計算することで、利益を確保しやすいアガベ仕入れにつながります。
植物の仕入れに関する情報を確認できます。
